センター

つくば頭痛センター

正しい「頭痛」の診断と治療を受けましょう

頭痛は誰にでも起こる病態であり、頭痛を経験したことのない人はいないと思います。しかしながら、頻繁に頭痛を起こしている場合にはきちんとした診断と治療が必要になります。
頭痛はおおまかに「片頭痛」、「緊張型頭痛」、「群発頭痛」、「その他の2次性頭痛」に分類され、それぞれ治療や対処法が異なります。特に原因疾患のある「2次性頭痛」を見逃すと重大な結果をもたらすことがありますので、必要に応じてMRI検査等を行っておくことが重要です。
「片頭痛」は日常生活や仕事などに大きな支障をきたすことが知られており、社会的にも大きな損失を生み出していることも知られており、その対応が求められます。当科では様々な治療薬や生活習慣の見直しを通して「頭痛」をうまくコントロールできるように対応していきます。

「頭痛」は早期診断・早期治療が大切

頭痛に対しては早めに正しい治療や日常生活指導、非薬物治療を受けることが重要です。
漫然と市販薬を飲み続けると薬が効きにくくなり、頭痛そのもののコントロールが難しくなります。
したがって、早期に専門的な治療や指導を受けることが重要です。

頭痛は進行性の病気です

頭痛は長年患っていると治りにくくなる「進行性」の病気です。
癌も早期発見・早期治療すれば治ります。
一方で頭痛は死にいたる病気ではありませんが、働き盛りの年代においてかなりの社会的制限を受けてしまう疾患とされています。
自己判断によって「頭痛」を我慢したり、あるいは市販薬で対応していると「薬物乱用頭痛」という病態を引き起こしてしまい、徐々に鎮痛薬が効かなくなってきます。
この「薬物乱用頭痛」から抜け出すにはかなり時間のかかる治療を要します。
「薬物乱用頭痛」になるまえに正しい治療を受けること、あるいは「薬物乱用頭痛」に陥ってからの正しい脱却法などについても丁寧な対応が求められます。

頭痛は発作時の痛み止めの治療だけではなく、予防的治療もあります

頭痛、特に片頭痛については痛いときの治療薬だけではなく、片頭痛発作を起こさないようにするための予防的治療があります。
患者さんの状態に合った飲み薬から開始し、それでも効果が少ない場合には1か月に1回の注射薬(種類によっては3か月に1回)を使うことができます。この注射薬の効果は大きいのですが、一定の専門医資格を有している医師のいる医療機関でしか使うことができません。
漢方薬にも頭痛に効くものがあります。
患者さんの体質や頭痛の症状に合わせた漢方薬をうまく見つけていくことにより、頭痛発作の軽減が得られる事が期待できます。西洋薬と漢方薬の併用でうまくコントロールできる場合があります。

「頭痛」に対しては生活習慣の見直しや治療薬とのうまい付合い方の指導が重要です

患者さんにおいては薬物療法のみならず、生活習慣の改善、頭痛の誘因となる原因探索とそれを避けるための種々の工夫、運動療法、その他鍼灸やマッサージの併用など、頭痛に対する総合的な取り組みにより、頭痛が軽くなることが知られています。
薬にばかり頼らない工夫を一緒にみつけていくことが重要です。
また、薬物療法を用いる時にも服薬のタイミング、患者さんの症状に合った薬の選択などが重要です。

スタッフ

つくば頭痛センター長
松村 明
Akira Matsumura
専門分野 脳卒中診察、神経リハビリ、脊椎・脊髄疾患 (頸、腰疾患、脊髄腫瘍)、頭痛診察(片頭痛、その他の頭痛)脳腫瘍専門医
専門医・認定医
  • ・日本頭痛学会専門医・指導医
  • ・日本頭痛学会理事、2020年年次総会会長
  • ・筑波大学名誉教授(脳神経外科)
  • ・日本内科学会認定医
  • ・日本糖尿病学会認定専門医
  • ・日本糖尿病学会認定研修指導医
  • ・日本動脈硬化学会専門医